DIYで余ってしまったペンキ、そのままにしていませんか?
近年、DIYの流行により家庭でペンキを購入し、壁や家具などにペイントする方がとても増えていますよね。
ペンキのカラーも豊富になっており、ホームセンターやネット通販を利用すれば簡単に手に入れることができます。
購入したときは、ペイントの仕上がりにわくわくどきどき。
ですが、作業を終えると必ずと言っていいほどペンキって使い切れずに余ってしまいませんか?
『微妙に余ったペンキ・・・どうやって捨てればいいのかな?』そんな疑問を抱く方が多いと思います。
開封後しばらく放置した状態が続くと、中身がドロドロになったり固まってしまうことも。
残していても使用できないペンキがあるならこの機会に処分をしましょう。
この記事では、皆さんが分別に迷うペンキの基本的な処分方法を調べました。
ペンキの残量によって捨て方の手順が変わります。
残量別に捨て方のコツについても実際に検証しながら紹介してまいります。
それでは参ります!
※このブログは、不用品回収・遺品整理の専門業者 “整理のゴダイ” が監修し、処分しづらい「ごみと資源の分け方・出し方」に関するノウハウをわかりやすく解説するサイトです。
プロならではの視点で、本当に使えるノウハウのみを取り上げています。
内容には細心の注意を払っていますが、もしお気づきの点などございましたら、ご遠慮なくお知らせください。
【目次】
1.ペンキは何ごみ?基本的な捨て方
まずはペンキが何ごみに分類されるのか確認しましょう。
■ お住いの自治体ルールを確認しましょう
人口50万人以上の全国の主要都市を中心に32の自治体におけるペンキの捨て方を調べてみました。
結果は次のとおりです。
塗料自体の分別区分であり、容器の分別ではありませんのでご注意ください。
ペンキ回収不可と区分している自治体は56%。
実は、ペンキの受け入れをしていない自治体って結構多いです。
理由としては、
・ペンキを液体のまま回収すると回収車を汚してしまう可能性がある
・引火性や有害性があるペンキがあるため徹底した分別が必須となるため回収が困難
などが挙げられます。
ペンキ回収不可の場合は、販売元、製造元、回収業者などへの依頼が必要になります。
自治体によってはホームページ上に回収先の連絡先を掲載している場合がありますので、自治体ホームページで確認してみると良いと思います。
燃えるごみに該当する自治体は38%。
基本的に回収不可としていますが、中身を取り除けば回収可能としている自治体も含みます。
どの自治体もペンキは新聞紙や布などに染み込ませてから分別するように指示しています。
なので、液状のまま処分することはできず、必ず処分するための処理が必要になります。
詳しい処理方法については、第2章『ペンキの捨て方手順を検証(ペンキ残量別)』で説明しますね。
このように分別区分は自治体により異なります。
お住いの自治体の分別はこちらの『ごみ分別カレンダーリンク集』から調べることができます。
ぜひご活用ください。
■ 塗料メーカーが案内する基本的な捨て方
ここからは、ペンキの製造元である塗料メーカーが紹介する処分方法を見ていきましょう。
塗料メーカーはペンキを使い切ることを前提に製造しています。
なので、できる限り余らせることなく使い切ることが望ましいです。
それでも残ってしまった場合については以下の方法を案内しています。
新聞紙などに塗り広げ乾燥してから一般ゴミとして処分してください。
固化剤を使えば、塗料に混ぜるだけで簡単に固化します。
固化した塗料は、容器から取り出し、新聞紙に包んで廃棄してください。
製造元のホームページでも、燃えるごみに分別している自治体同様、ペンキの中身は容器から取り除くように指示しています。
新聞紙への塗り広げ方やペンキ処理の際に利用する固化剤の使用方法は次の章で詳しくお話しします。
2. ペンキの捨て方手順を検証(ペンキ残量別)
ここからは、製造元が紹介しているペンキの捨て方を元に私たちが実際に検証した手順を説明します。
■ 処分したい量が少量の場合
ペンキの残量が少量の場合は以下の方法で処分をしましょう。
キッチンペーパーに塗り広げる
【準備するもの】
・ダンボール
・ビニール袋
・キッチンペーパー
・使い捨てスプーン(ペンキをすくえる物)
まずは手袋をつけましょう。
どんなに気を付けていても気付かないうちに手にペンキが付いてしまうことがあります。
手についたペンキは水洗いしてもなかなか落ちませんので、事前に汚れるのを防ぎましょう。
【実際にやってみた手順】
1. ダンボールにビニール袋をセットする。
汚れても良い箱であれば何でも構いません。
今回はダンボールを使用しました。
ダンボールにビニール袋をセットします。
ビニール袋は厚手のもの、または二重にするなどして破れにくいように工夫しましょう。
ダンボールの中で作業をすると周りが汚れにくく、また袋を縛ればそのままごみ出しができるため簡単に捨てられます。
2.使い捨てスプーンを使いキッチンペーパーにペンキを塗り広げる
上の写真はキッチン-ペーパーを5枚重ねて使い捨てスプーン5杯分のペンキを塗り広げたもの。
それ以上にペンキが余っている場合は、さらに5枚重ねてペンキを塗り広げるという手順を繰り返しましょう。
新聞紙や布などでも検証しましたが、キッチンペーパーが一番吸収したため今回はキッチンペーパーを使用しました。
※商品によってキッチンペーパーの厚みや吸収率が異なりますので、まずは少量を塗り広げて様子を見ることをおすすめします。
※必ず汚れても良い場所、風が通る場所で作業しましょう。
3.乾燥したら燃えるごみの日に出す
ドロドロのままではごみ出しできません。
風通しの良い場所で乾燥をさせましょう。
屋外に置いた場合、3日程度で乾燥します。
乾燥したらダンボールからビニール袋を外し、口を縛ればそのままごみ出しすることができます。
このようにペンキの残量が少しの場合は、特別に準備するものはなく家庭にあるものを使い処分ができます。
【ごく少量の場合】
ペンキの残量がごく少量の場合は先ほどお話しした塗料メーカーが案内する処分方法で十分に対応できます。
・刷毛を使い新聞紙などに塗り広げて乾燥させる
ペイント作業の過程で処分したい場合は、刷毛が手元にありますのでこの方法が一番簡単だと思います。
■ 結構余っている場合
ペンキが結構余ってしまって、新聞紙や布に吸水させる方法では間に合わない場合は、固化剤を使用する方法があります。
固化剤とは、ペンキを液体から固形の状態に変化させるものです。
固化剤を使用しペンキを固める
【準備するもの】
・ダンボール
・ビニール袋
・棒
・布(新聞紙)
作業前に手袋をはめましょう。
ペンキが固まる過程で2倍ほど体積が増える固化剤があります。
なので缶いっぱいにペンキが余っている場合はあふれ出る恐れがあり注意が必要です。
その場合は、余裕がある容器にペンキを移してから作業をしましょう。
【実際にやってみた手順】
1. ダンボールにビニール袋をセットする(汚れ防止のため)
ビニール袋をセットしたダンボールの中で作業をします。
ビニール袋は厚手のもの、または二重にするなどして作業の途中で破けないように気をつけましょう。
2. ペンキの中に固化剤を流し込み、棒で混ぜる
こちらの動画がわかりやすく解説されていますのでご覧ください。
引用元|株式会社アサヒペン
粉末状の固化剤をペンキの中に入れます。
説明書に書いてある使用量に従い作業をしましょう。
はじめは液状ですが、混ぜていくうちに固まってきます。
棒で持ち上げられるくらい固まれば十分です。
4.乾燥させてごみ出しする
風通しの良い場所に置いて乾燥させましょう。
5日程度でカラカラの状態なります。
ペンキを乾燥させていた布に包んでそのままごみ出しができます。
※ペンキを燃えるごみに区分している自治体に限ります。
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、ペンキには『油性』と『水性』があります。
■ 油性ペンキ
「有機溶剤」を利用して顔料、樹脂、硬化剤などペンキの元とのある成分を溶かし液状にしたもの。
■ 水性ペンキ
「水」を利用して顔料、樹脂、硬化剤などペンキの元とのある成分を溶かし液状にしたもの。
油性か水性かによって処分時に利用する固化剤の種類が変わります。
なので、固化剤を利用する場合はお手元のペンキがどちらに該当するのかを確認しましょう。
油性か水性かの確認ができたら、適した固化剤を準備しましょう。
どちらかわからない場合は油性、水性どちらにも対応した固化剤もあります。
油性・水性兼用の固化剤であっても、水性の場合は固化剤のみ、油性の場合は固化剤の他に水が必要になるなど、利用方法が異なることがありますので使用方法を確認してから作業をしましょう。
3. ペンキ缶の処分方法
多くの自治体が不燃ごみとしてペンキ缶の回収を行っています。
回収の条件は、これまでお話ししてきたように缶の中身を空にすることです。
電話で問い合わせたところ、缶の中のペンキをきれいにふき取ったり水ですすいだりする必要はなく、液が垂れない程度に空にすればごみ出しして構わないという自治体が多かったです。
※自治体によっては『缶・びん』、『資源ごみ』など分別区分の呼び方が異なります。
※自治体によってはペンキ缶を含めたペンキ自体を取り扱っていない場合があります。
長く放置していると「缶の中でペンキが固まってしまった・・・」なんてことがありますよね。
缶から取り出せないほど固まってしまった場合は、
・そのままの状態で「燃えないごみ」へ出す
・「販売元や不用品回収業者」へ依頼する
など自治体により対応が異なります。
自治体指定の処分方法でごみ出しをしましょう。
『ごみ出しカレンダーリンク集』からお住まいの自治体のごみページを探すことができます。
さいごに
いかがでしたか?
ペンキの分別方法は自治体によってルールが異なります。
なので、まずはお住いの自治体の分別区分を電話やホームページで確認しましょう。
もし、ご自分で処理することが難しい場合は鹿児島県内であれば、弊社サービス「整理のゴダイ」の不用品回収をご利用いただく事も可能ですのでご相談ください。(ただし有料での引き取りになります)
この機会に捨てられなかったペンキを処分して、家の中をすっきりさせてくださいね。