こんにちは。
鹿児島で遺品整理サービスを提供している「整理のゴダイ」松本です。
今回は、遺品整理の費用相場についてお伝えしたいと思います。
様々なご事情で遺品整理を行わないといけなくなった。
そんなときに、気になることのひとつは「片づけにいくらかかるんだろう?」というお金の事ですよね。
「遺品整理サービスは相場が掴みづらいから、どこを基準に探せばいいか分からない。妥当な金額はいくらぐらいなのかな?」
「できるだけ費用を抑えるために、自分でできることはあるの?」
こうした疑問に、年間800件以上のサービスを提供している私が現場や業界での経験・知識をふまえて「自分がサービスを受ける側だったら知りたいこと・チェックすること」という視点でお答えします。
それではまいりましょう!
【目次】
1.《間取り別》遺品整理の相場について
まず、細かな説明に入る前に遺品整理サービスの相場についてお伝えします。
費用平均
■ 家の形状別 (税別)
形状 | 平均 |
平屋・マンション | 22.6万円 |
2階建て | 28.1万円 |
■ 間取り別 (税別)
間取り | 平均 |
2部屋以下 (~1LDK) | 11.5万円 |
3部屋 (2DK~2LDK) | 14.1万円 |
4部屋 (3DK~3LDK) | 23.9万円 |
5部屋 (4DK~4LDK) | 28.6万円 |
6部屋以上 (5DK~) | 33.5万円 |
※ほとんどのご家庭でこの平均から±10万円の範囲で収まります
このデータは私が鹿児島で運営する整理のゴダイや、面識のある他の地域の遺品整理業者に聞き取りをした結果の相場です。
どの地域の業者でも「だいたいこの平均前後になるよね」といった共通認識があることを今回の調査で確認できました。
ただ、例外的としては、家の形状や間取りだけでは決まらない要素もあり、この平均値から大きく離れる事もあります。
次の章では、どのような場合に例外的な金額が提示されるのか見ていきましょう。
2.間取りだけでは決まらない要素とは?
遺品整理の相場を考える上で、間取りだけでは決まらない要素についてお伝えしたいと思います。
まずは遺品整理サービスの原価、なににいくら掛かるのかという内訳を公開します。
こちらは2階建ての一軒家における遺品整理のおおまかな内訳です。
この内訳をもう少し分かりやすく説明すると下記の通りです。
つまり、単純化してしまえば、シンプルに2つの要素で費用が決まります。
● 家財の量:どれだけの量の家財があるか
● 時間:作業完了までにどれだけの時間が掛かるか
さらに、この2つ以外にも、もうひとつ地域差もあるので大きく3つの要素で費用が決まると言えるでしょう。
それでは、この3つの要素を解説します。
家財の量
家財の量が極端に多いと平均値から離れていきます。
平均的な家庭がどのくらいの家財量があるか分かりにくいと思いますが、床面積の60%は見えている状態が平均です。
足の踏み場がなく、部屋の中をまっすぐ歩くことが難しいほどの家財があれば『一般的な家庭よりも多い』と思ってください。
やはり家財の量が多いほど処分費が上がります。
時間
時間に関しては、「家財の場所」と「トラックの位置」を考えていただければ分かりやすいかと思います。
これが離れるほど同じ家財量であったとしても時間がかかり費用が上がります。
それ以外に、自分たちではまだ探しきれていない貴重品や思い入れのある物を捜索してもらう場合は更に時間がかかります。
地域差
地域差については都市圏と地方を比較すると、人件費や処分費が高い都市圏の方が割高になりそうな気がしますが実はそうとは限りません。
たしかに都市圏と地方では処分費に2倍近くの開きがあります。
ただ、家に目を向けると、世帯人数が多く床面積の広い地方の方が家財の量は多い傾向です。
地方 > 都市圏
北国 > 南国
例:富山53坪 > 鹿児島33坪 > 東京27坪
(平成30年総務省住宅・土地統計調査「都道府県別持ち家住宅床面積平均」より)
総合的に見ると、それぞれの要素が相殺(そうさい)しあって、遺品整理にかかる最終的な費用は都市圏と地方ではさほど変わらないと言えます。
3.遺品整理に50万円!? この料金って高すぎるの?
遺品整理の見積もりで業者から50万円以上の金額を提示されたとしたら、これは高すぎるのでしょうか?
私の作業実績や知人の同業者の中では件数全体の約3%は50万円を超えたという統計があります。
これまで2,500件以上の作業実績がある当社(整理のゴダイ)での最高額は76万円。(全体平均は25.2万円)
それではどのような場合にここまで高額になったのでしょうか?
《事例1 : 同じ敷地内に複数の建物があったケース》
私が運営する整理のゴダイでの事例としては、同じ敷地内に「母屋」「旧宅」「離れ」と3つの建物があり、それぞれに家財がいっぱいあったケースです。
まとめて1件の遺品整理としてカウントしていますが、敷地が広い地方ならではの例外的な事例でした。
ちなみに家財の量は通常の一軒家の4倍近く。
この事例がこれまでの最高額ですが、こうしたケースは稀です。
《事例2:家からトラックまでの距離が遠かったケース》
同業者の事例では、これは都市圏の業者ですが、トラックが遠くにしか止められなかったため高額になったそうです。
敷地の近くにはトラックが入れず、50mほど離れた場所に停めて全て人力で運んで積み込んだとのこと。
家財の量は平均より少し多いくらいだったのですが、時間は通常の3倍ほどかかりました。
こちらの費用は52万円。
このように、特殊なケースでは50万円を超えることがありますが「多少家財の量が多い」もしくは「階段5階作業」程度の要素ではそこまでかからないはずです。
ほとんどのご家庭の場合は間取り別平均の±10万円の範囲で収まるのが相場、と思っていただいて問題ないです。
■ 間取り別 (税別)
間取り | 平均 |
2部屋以下 (~1LDK) | 11.5万円 |
3部屋 (2DK~2LDK) | 14.1万円 |
4部屋 (3DK~3LDK) | 23.9万円 |
5部屋 (4DK~4LDK) | 28.6万円 |
6部屋以上 (5DK~) | 33.5万円 |
もし、相場から大きくかけ離れた金額の見積もりが出たら、それ以外の業者で複数見積もりを取りましょう。
その際に「見積もり金額以外に費用があとから発生した」というトラブルも耳にします。
☑ 書面で見積書をもらい、追加料金が発生しないことを書いてもらう
☑ 電話応対や訪問見積もりなどの全体的なやりとりが丁寧な業者を選ぶ
この2点は円滑な遺品整理を行うために必ずチェックしましょう!
4.自分たち(家族、親戚)で遺品整理をした場合はいくらぐらい掛かるの?
ここまでは遺品整理を業者に頼む前提での費用相場についてお伝えしてきました。
遺品整理をしなければならない人の中には
「時間がかかってもいいので、自分たちで片付けながら細かなところまで納得いくまで目を通したい」
「できるだけ費用を抑えたいので、自分たちで遺品整理を行いたい」
と思っている人も多いかと思います。
そこで、ここでは切り口を単純化するために「費用面」のみをピックアップ。
この章では、自分たちで遺品整理を行う場合について考えてみたいと思います。
自分で行うと業者と比較して「人件費」「広告費」「業者の利益」などを抑えることができます。
一方、自分で行うから発生する費用もあります。
具体例として、平均的な2階建て一軒家を片づけた場合の費用比較を紹介します。
自分で行うから発生する費用として
・遠方から片付けに行く場合の「帰省滞在費用」。
・軽トラックなどの運搬車両がない場合のレンタカー代
・手伝ってくれた人への謝礼
などがあります。
これらを加味して自分で行う場合の遺品整理の総額は14~29万円になります。(一般的な2階建ての場合)
近くに住んでいてトラックもあって、という場合は半額近くに抑えることができます。
一方、遠方で帰省滞在費用が高くなる場合は、業者に頼んだ方が安く済むということも・・・
どのくらいの家財量があるか検討がつかない方がほとんどだと思いますので、参考として2階建ての平均的な家財量、そして必要なトラック台数を掲載しておきます。
また、冷蔵庫や洗濯機、中身の入ったスプレー缶やごみ出しできないタイヤ・ブロックなど。
自分では全て綺麗に片づけることは難しい物もあります。
・自分で整理しやすい物は自分で
・どうしても処分できない物は業者に
という複合型の遺品整理もひとつの選択肢としてオススメです。
5.少しでも費用を抑えるポイント
遺品整理サービスを利用するにあたり、少しでも費用を抑えるためコツを紹介します!
トラブルや費用の変動を避けるために、これから紹介するポイントは全て見積もりを取る前に行ってください。
【ポイント1 買取サービスの利用】
遺品整理サービスを提供する業者の中には、買取サービスを実施しているところもあります。
ただ餅は餅屋、専門店だと買い取りできる品目数や買取金額が違うことがほとんどです。
なので買取できそうな物があれば、専門のリサイクルショップや貴金属買取店の方がオススメです。
ちなみに書籍については最新の話題書や専門書籍がある場合は買取もひとつの選択肢になります。
ただ、それ以外は本の買い取りサービスは金額的なメリットに関してほぼ期待できないと思ってください。
美術品や骨董品も有名作家、希少ブランド以外はあまりお金にはなりません。
【ポイント2 ごみ出しできる物はごみの日に捨てる】
住んでいたそのままの状態よりも、少しでも片付いていたほうが当然のことながら安くすみます。
ここでのポイントは「ただ袋詰めして置いておくだけでなく、ごみ出しまで行う」事です。
実は「袋詰めして置いておくだけ」では業者の見積金額は安くなりません。
遺品整理の際に大量の家財を搬出する遺品整理業者には、その量の多さから厳しい分別が求められています。
なので、業者自身で分別した物以外は、また袋から出してチェックし分別し直す必要があります。
そこから逆算すると自分たちでごみ出しできる物に限って先に処理しておく事がオススメです。
具体的には
・燃やせるごみとして捨てられる生活用品
・運べるサイズの粗大ごみ
に絞ってごみ出しすると「費用対手間」の観点から最も有効です。
これを事前に行うことで平均4万円ほどの費用が抑えられます。
この2つのポイントを可能であれば先に実施してから遺品整理サービスの見積もりを取る。
これが費用を抑えるためのコツになります。
遺品整理は急を要することが多いですが「時間をかければ抑えられる費用がある」ということも頭に入れつつ進めていくといいかと思います。
6.遺品整理サービスを頼む前に
お伝えしてきたように、遺品整理サービスは
➁ 時間がかかる
という2つのポイントで割高になります。
遺品は
● 財産:お金やお金に相当する価値のある物(不動産、証券など)
● 形見:写真や仏壇、日記などの金銭的な価値はないが思い入れのある物
● その他の遺品:家具や電化製品、生活用品など
の大きく3つに分けることができます。
遺品整理を上手くすすめるポイントはこの3つを早い段階で切り分けることです。
そして、この3つをどこまで自分たちで行い、どこから遺品整理業者に依頼するのかを明確にしましょう。
業者による遺品整理サービスを受ける際には、費用が安いだけでなく人の気持ちが分かる信用できそうな業者を探すことが大事です。
ただ、信用できそうな業者が見つかったとしても業者はあくまで他人です。
大切な財産や形見は業者に頼む前に家族や親戚で納得のいくまで目を通しておいたほうが無難です。
少なくとも一度はめぼしい箇所をチェックしましょう!
遺品整理サービスを頼む前に、財産や形見をしっかり分けておけば、その他の遺品(家財道具や生活用品)を整理してもらうだけになります。
そうなれば「必要な物はひと通り取ったけど、もし写真があれば目を通したいです」といった希望を出せばOK。
業者の立場に立つと貴重品捜索というよりは漏れがないかのダブルチェックという立場で遺品整理にあたれます。
業者に頼む時間を抑えることにより、何もしないまま頼むよりは費用は下がるでしょう。
事前に「財産」「形見」「その他の遺品」をしっかり切り分けることは、心理面でも費用面でもメリットが大きいのでオススメです。
いかがでしたか?
今回の記事では私が知っている業界内の相場観についてお伝えしてきました。
めったに経験することのない遺品整理、それを急に行わないといけない状況になったとき。
今回の記事がひとつの目安となり、整理を進める参考となれば幸いです。
もし鹿児島で遺品整理をお考えの方がいれば是非お気軽にご相談ください。
「整理のゴダイ」の遺品整理サービス
それ以外の地域の方でも「こういう見積もりが出てるんだけど高すぎないかな?」という疑問があればご連絡ください。
私の経験や知っている情報であればお伝えできると思います。
(もちろん、相談料などはいただいておりませんのでご安心を)
あなたの遺品整理がスムーズに行われ、次のステップへ円滑に進めることを願っております。
《筆者が運営する整理のゴダイ紹介》
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