発泡スチロールの捨て方、知っていますか?
こんにちは。「知らないと損をする処分しづらいものの捨て方」編集部の松本です。
家具や家電を買うと、緩衝材として発泡スチロールがたくさん入っていますよね。
けっこう量が多いので、捨てるのに困るのではないでしょうか?
発泡スチロールは、実は自治体のごみステーションで捨てられるって知っていましたか?
自治体ごとに分別区分が異なるので、その理由や背景について説明したいと思います。
また、ごみ袋に入らないほど大きな発泡スチロールを小さくする方法についても、紹介していきますね。
それではまいりましょう。
※このブログは、片づけの専門業者“整理のゴダイ”が監修し、処分しづらい「ごみと資源の分け方・出し方」に関するノウハウをわかりやすく解説するサイトです。
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■ 目次
発泡スチロールの基本的な捨て方
基本的な捨て方と分別区分
冒頭でもお伝えしたように、発泡スチロールは基本的に自治体のごみステーションに出すことができます。
今回、人口が50万人以上の全国の主要都市、ごみ出しに特徴がある市町村など、33の自治体のルールを調べてみました。
すると、多くの自治体が発泡スチロールの回収を行っていますが、分別区分は統一されておらず、ばらつきがあることがわかりました。
主な分別区分がこちら。
・可燃ごみ
※「プラスチック製容器包装」につきましては、「資源」や「容器包装プラスチック」、「プラスチック」など自治体により呼び方が異なります。
今回の記事では調査した中で最も多かった「プラスチック製容器包装」という名称を使用しています。
今回調査した自治体の76%が「プラスチック製容器包装」、24%が「可燃ごみ」という割合になりました。
この結果多くの自治体が、「プラスチック製容器包装」に区分していることがわかります。
ですが、発泡スチロール全般を可燃ごみとしている市区町村もありますので捨てる前にお住いの自治体の分別区分を確認しましょう。
自治体によって「プラスチック製容器包装」と「燃えるごみ」に分別が分かれる理由
自治体が回収している発泡スチロールには緩衝材や魚箱などがあります。
厚みがあるものが多く、箱型やボコボコとした形状など、形はさまざま。
これらの発泡スチロールはなぜ、自治体によって「プラスチック製容器包装」と「燃えるごみ」に分別が分かれるのでしょうか。
そもそも発泡スチロールの原料である「ポリスチレン」はプラスチックの一種。
プラスチックであれば、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出を抑制するためにリサイクルに出す取り組みが行われています。
その中でも発泡スチロールはリサイクルが行いやすいプラスチックのひとつ。
なので多くの自治体では再利用を目的に「プラスチック製容器包装」に分別し回収をしています。
それではなぜ、「プラスチック製容器包装」ではなく「燃えるごみ」に区分している自治体があるのでしょうか。
その理由が以下になります。
【発泡スチロールを「燃えるごみ」に分別区分している理由】
・ごみステーションが狭いという理由で受入体制が整わない
・地方などではごみ収集車一台あたりの受け持ちエリアが広いため燃えるごみの収集しかできず、分別しての収集運搬が困難
・汚れている発泡スチロールはリサイクルに出すことができない
このように分別や収集運搬の問題があるため「プラスチック容器包装」として収集することができません。
そのため本当は「プラスチック」としてリサイクルしたいのですが、仕方なく「燃えるごみ」に分別区分している自治体があるのが現状です。
ですが、世界中から廃プラスチックを受け入れてきた中国が2017年に環境汚染を理由に廃プラスチックの輸入を停止することを公表。
この公表を受け、これからの日本の目指すべき姿として、国内で資源を循環させる動きが始まっています。
そういった流れもあり今後は、プラスチックのリサイクルはより加速していく傾向が強まると予想されます。
そのプラスチックの中でも特にリサイクルしやすい発泡スチロールは、今は「燃えるごみ」として回収している自治体も「プラスチック製容器包装」として回収することが多くなるでしょう。
そんなリサイクル可能な発泡スチロールですが、先ほどもお伝えしたように汚れがついたままではリサイクルとして処理ができません。
捨てる前には以下のことに注意しましょう。
さっと洗って流す程度で大丈夫ですが、それでも汚れや固形物が取れない場合プラスチック製容器包装として出せないことがあります。
汚れが落ちないときは、燃やすごみに指定する自治体が多いです。
自治体により細かい分別区分があるため、必ず自治体ホームページをご確認ください。
本当に「燃えるごみ」でごみ出ししても大丈夫?
発泡スチロールの分別区分がわかったら、自治体の案内にしたがって捨てましょう。
ですが、『汚れが落ちない場合は燃えるごみへ』と指定があるけど、「燃やしたら環境に悪そう・・・燃えるごみに入れても大丈夫?」と不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
でも実は、発泡スチロールの主成分は、炭素と水素。
高温で燃やすことで「二酸化炭素」と「水」になるので有害物質は発生しません。
ただし、燃やす際に酸素不足により不完全燃焼となった場合は、黒煙や一酸化炭素が発生するため家庭での焼却はオススメできません。
自治体により指定された分別区分に沿った捨て方をしましょう。
お住まいの自治体の分別区分を確認する方法
ここまで読んでいただけたら、お住まいの自治体の分別区分を確認してみましょう。
確認するには以下の3つの方法があります。
・市区町村のホームページ検索
・市区町村に直接電話で問い合わせ
スマホから検索される方が多いと思いますので、インターネットを使った検索例をお伝えします。
市区町村ホームページを検索する際には、『発泡スチロール 市区町村名』のワードで検索をすると、捨て方の情報を見つけられると思います。
【例:新宿区の発泡スチロールの処分方法を調べたい場合】
このように検索すると新宿区の「資源・ごみ品目別一覧」のページが出てきます。
ごみ品目から発泡スチロールをクリックすると、該当する分別区分が「容器包装プラスチック」であることがわかります。
各分別区分のページにごみの出し方が詳しく書かれているので、その指示に従って集積所へ出しましょう。
また、その他の検索方法として「ごみ出し 横浜市」のように「ごみ出し」というワードと「市区町村名」で探してみる方法もあります。
全国自治体ごみリンク(日報ビジネス)からお住まいの市町村のホームページを探すこともできます。
自治体のごみステーション以外を利用して捨てる方法
これまで自治体のごみステーションを利用した処分方法をお話ししてきました。
自治体のごみステーションを利用する場合、「燃えるごみ」に区分されていれば週に2回ほどごみを出すことができます。
ですが、「プラスチック製容器包装」に区分されている場合は、自治体によっては月に1度の回収しか行われていないところもあります。
そうなると、「すぐに捨てたいから来月まで待てない・・・」なんてことも。
そんなときは、市の処理施設へ持ち込む方法があります。
利用する際は、市の処理施設に自分でごみを持ち込みます。
市区町村によっては搬入前に電話での申請や直接搬入届出書等が必要となる場合がありますので、まずはお住まいの直接搬入が可能なごみ処理施設へ電話で問い合わせてみましょう。
※市のごみ処理施設は市区町村のホームページで案内されています。
実際にごみ処理施設へ電話で問い合わせをしました。
私が問い合わせをした処理施設は、予約や必要な書類などはありませんでした。
また、発泡スチロールも大きいままで持ち込めたので、特に必要な作業はなく簡単に処分することができました。
ごみ袋に入らないほど大きな発泡スチロールを小さくする方法
発泡スチロールの分別区分もごみ出し可能な日時もわかったけど、「捨てたい発泡スチロールが大きすぎてごみ袋に入らない・・・」という方もいるはず。
ここからは、そんな悩みを解決する方法を紹介します。
これまでお話ししてきたように、発泡スチロールは主に「プラスチック製容器包装」または「燃えるごみ」に区分されます。
しかし、指定されたごみ袋に入ることを条件としている自治体が多く、袋に入らないほど大きなままだと粗大ごみ扱いになる可能性があります。
自治体ホームページ上に、何㎝からが粗大ごみなるのか記載されているところもありますので確認してみてください。
それでは、実際に発泡スチロールを細かくする方法を紹介していきます。
カッターを使い効率よく小さくする方法
なるべくなら、道具を準備せずに小さくできたらいいですよね。
これから捨てるもののために道具をそろえるのもなんかもったいないですし・・・
力がある方であれば、バキバキと素手で折っていくのもひとつの手です。
ですが、厚みがある発泡スチロールとなると、手で折ったり割ることが難しい場合もあります。
そこで使えるのが、カッターです。
ここからは、カッターを使用した方法について説明します。
小さくする前の発砲スチロールがこちらになります。
袋から大きくはみ出しているため、ごみ袋の口を結ぶことができません。
この状態では引き取らない自治体がほとんどです。
【準備するもの】
・ごみ袋
実際に切る前にカッターの刃の出し方を確認しましょう。
今回紹介する方法は、刃の一番とがった部分を使い切り込んでいくため、刃を出しすぎないようにしてください。
【手順】
1. カッターの先端を立てた状態でザクザクと発砲スチロールの周りを一周させる
切りたい大きさに合わせて切り込みを入れましょう。
今回は点線の部分にそって切り込みをいれました。
ポイントになるのが、カッターの先端を立てた状態で切り込みを入れるということです。
カッターの刃の先端を使い切り込んでいくことで、発泡スチロールと刃がこすれるキーキーという嫌な音や、くずが出にくくなります。
<ダメな例>
カッターの刃を発泡スチロールに対して平行にして切り込みを入れると、刃が発泡スチロールの抵抗で引っかかりやすいです。
そして、引っかかりがとれたときに刃が勢いよく動いて怪我をする恐れがあります。
なのでカッターの先端をさすように上下させるほうが安全です。
2. 発泡スチロールに体重を乗せ、切り込みを入れた片側を両手で引き上げる
このように両手で引き上げる折り方のほうが、からだのバランスを崩すことなく作業ができます。
この要領でどんどん発泡スチロールを小さくしていきました。
大きな発砲スチロールのかたまりを小さくしたことにより、ごみ袋にすべて入れることができました。
以上がカッターを使用した方法です。
単純でとても簡単な方法ですよね。
大きな発砲スチロールの捨て方に困っている方はぜひ、チャレンジしてみてください。
さいごに
いかがでしたか?
これまでごみ分別区分がはっきりわからずに、なんとなく発泡スチロールを捨てていた方もいらっしゃったはず。
ですがこの記事をきっかけに、お住まいの自治体の分別区分を知っていただけたら、大量の発泡スチロールのごみが出たとしても安心して捨てられると思います。
正しい分別が環境に対しての配慮につながります。
もし、ご自分で処理することが難しい場合は鹿児島県内であれば、弊社サービス「整理のゴダイ」の不用品回収をご利用いただく事も可能ですのでご相談ください。(ただし有料での引き取りになります)
ぜひ、この機会にごみ出しをして部屋をスッキリさせてくださいね。