「捨て方がわからなくて引き出しの中にたまっている電池、捨てたい・・・」
「なんで電池は普通の燃やせないごみで出せないんだろう・・・」
「自治体の電池回収日が月に1回あるけど、どうして引き取ってくれない種類の電池があるのだろう?」
分別がわかりづらく捨てづらい電池。
捨て方がよくわからずに、引出しのスペースを占領していませんか?
長年放置された電池は、余計な場所を取るだけではなく、液漏れやサビなどで保管場所を汚してしまう事もあります。
こんにちは。
最近、引き出しに溜まりにたまった電池を捨てて、スッキリした引き出しに次は何を収納しようか考え中の『知らないと損をする!処分しづらいものの捨て方』編集部の松本です。
この記事をご覧になっているということは、あなたは「電池の捨て方、ホントにわかりづらくて面倒くさいな・・・」と困っているのかもしれません。
もしくは、「今までなんとなく電池を捨ててきたけど、本当にこれまでの捨て方で合っているのだろうか?」という疑問を持たれているのかもしれません。
あなたは、なぜ電池をほかの燃やせないごみなどと一緒に捨ててはいけないのか知っていますか?
どうして、わざわざ指定の場所に持っていったり、月に1度しか回収してくれなかったり、といった面倒なことになっているのでしょうか。
更にいうと実は、すべての種類の電池を自治体で引き取ってくれるわけではないんです。
面倒な分別を指定される以上は仕方なく従わないといけないけれど、どうせなら理由を知って納得して分別に協力したいですよね。
今回の記事を読んでいただくことで、ひとりでも多くの方が「そういう理由なら、面倒だけどしっかり分別しないといけないよね」と思ってもらえるとうれしいです。
それで参りましょう!
※このブログは、片づけの専門業者”整理のゴダイ”が監修し、処分しづらい「ごみと資源の分け方・出し方」に関するノウハウをわかりやすく解説するサイトです。
プロならではの視点で、本当に使えるノウハウのみを取り上げています。
内容には細心の注意を払っていますが、もしお気づきの点などございましたら、ご遠慮なくお知らせください。
電池の種類と基本的な処分方法
まず、電池の種類ごとの捨て方に入る前に、「電池」と「乾電池」の違いに触れたいと思います。
「電池」と「乾電池」の違いとは?
「電池」とは使い捨て電池や充電池、車のバッテリーや太陽光電池なども含む、全ての電池の総称を言います。
それではいわゆる「乾電池」とはどのようなものを指すのでしょうか?
それは『乾』電池の反対語を考えるとわかりやすいでしょう。
「乾く」の反対は「湿る」ですね。
つまり、湿電池が乾電池の反対語です。
具体的には、電解液を液体のまま使用するもので、代表的なものには車のバッテリー(鉛蓄電池)や繰り返し使える充電池(ニカド電池)などがあります。
「乾電池」は電解液が固形のもののこと。
例えばアルカリ電池やマンガン電池などの使い捨て電池(一次電池)やボタン電池などがあります。
一般的には使い捨て電池のことを乾電池と呼ぶこともありますが、同じ使い捨て電池でも捨てる場所が違う事が多いので、この記事では乾電池という言葉を使わず、「アルカリ乾電池」「マンガン乾電池」「酸化銀電池」といった電池の名称でそれぞれの捨て方をお伝えします。
電池の種類ごとの捨て方
さきほどお話したように、実はすべての種類の電池を自治体で引き取てくれるわけではありません。
え・・・?
電池ってどれもごみステーションに捨てられると思っていました・・・。
捨てられないんですか?
そうなんだ。
電池の種類によっては、電気店やホームセンターなどにおいてある「小型充電式電池回収BOX」や「ボタン電池回収缶」へ持ち込まなくてはいけない。
電池の捨て方はややこしく感じるかもじれないが、きちんと電池の種類ごとの特性を知ればむずかしいことはないぞ!
電池の種類を細かく分類すると、なんと約4000種類もあるんです!
その中でも、私たちが身近に使う電池は、
・「使い捨て電池」
・「小型充電式電池」
・「ボタン電池」
の大きく3種類に分けることができます。
そして基本的な処分場所は、大まかにまとめると以下の3種類になります。
・「自治体のごみステーション」
・「小型充電式電池回収BOX」
・「ボタン電池回収缶」
電池の種類と基本的な処分場所について表にまとめました。
(※電池の名称をクリックすると、各電池の詳しい処分方法を説明した記事へ、ジャンプします。)
名称 | 処分場所 |
---|---|
自治体のごみステーション
※自治体によっては回収拠点を別に設けている場合があります。
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※コイン形の場合はCRまたはBRから始まる型番の電池
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小型充電式電池回収BOX
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※SRから始まる型番の電池
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ボタン電池回収缶
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※LRから始まる型番の電池
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※PRから始まる型番の電池
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ここからは電池の種類ごとに、その電池が使われている機器や、主な処分場所などをくわしく説明していきます。
使い捨て電池
アルカリ乾電池やマンガン乾電池などのことを「使い捨て電池」といいます。
リモコンや目覚まし時計、ラジオなどによく使われています。
【処分方法】
主に自治体のごみステーションで回収。
用意されたかごにそのまま、もしくは透明の袋に入れて出します。
分別区分は「不燃ごみ」「乾電池」「資源ごみ」「危険ごみ」など自治体により異なるので、ごみ出しカレンダーやお住いの地域のホームページを確認してみてください。
自治体のルールによっては絶縁の必要があります。
※自治体によっては、ごみステーション以外の場所に回収拠点を設けている場合がありますのでご注意ください。
小型充電式電池
「小型充電式電池」とは、その名のとおり充電して繰り返し使える電池です。
ニッケル水素電池やリチウムイオン二次電池、ニカド電池のことを指します。
【処分方法】
各リサイクル協力店に設置された小型充電式電池回収BOXへ。
主なリサイクル協力店として、電池の販売を行っているケーズデンキなどの電気店やホームセンター、スーパーなどがあります。
※店舗により回収BOXを設置していない場合や形状が異なる場合がありますのでご注意ください。
【なぜ小型充電式電池回収BOXで回収するのか?】
なぜ小型充電式電池は、使い捨て電池のようにごみとして捨てたらいけないのか、と思いませんか?
その理由は、
小型充電式電池は、ニッケルやカドミウム、鉛、コバルトなど、再生ができる希少な資源が含まれているからです。
2001年には、この希少な資源の回収や再利用をすることを義務化した法律、「資源有効利用促進法」が施行されました。
現在も多くの協力店のもと再資源化の取り組みが行われています。
回収BOXに投入する際には必ず絶縁をしてください。
小型充電式電池回収BOXのあるお店は、
一般社団法人JBRCの「リサイクル協力店」検索から近隣の協力店を検索できます。
【充電式電池の見分け方ポイント】
充電式電池かどうかわからない場合は、電池に記されたリサイクルマークが目印です。
ボタン電池
「ボタン電池」とは酸化銀電池、アルカリボタン電池、空気亜鉛電池の3種類の電池です。
腕時計や小型電子機器、補聴器などに使われています。
【処分方法】
協力店舗・協力施設に設置されたボタン電池回収缶へ。
主な回収協力店として、電気店や眼鏡店、ホームセンターなどがあります。
※店舗によりボタン電池回収缶を設置していない場合や形状が異なる場合がありますのでご注意ください。
【なぜボタン電池回収缶で回収するのか?】
ボタン電池を家庭ごみとして自治体のごみステーションに捨てられない理由は、
環境汚染の原因になる微量の水銀を含んでいる場合があるため、処分する際には環境への配慮が必要とされるからです。
回収缶へ投入する際には必ず絶縁をしてください。
※ボタン電池回収缶の投入口は、ボタン電池が入るギリギリのサイズになっているため、セロハンテープのように薄いテープで絶縁をしてください。
一般社団法人電池工業会のサイト「ボタン電池回収協力店の検索」から近隣店舗を検索できます。
【補足】
※絶縁について
電池を完全に使い切っていない場合、絶縁をしないで処分すると発火や破裂を引き起こす危険性があります。詳しくは次の章で解説します。
ボタン電池とコイン形電池の見分け方について
先ほどボタン電池回収缶へ出すとお伝えしたボタン電池ですが、このボタン電池と形状がよく似たものにコイン形電池があります。
ですが、似ていても捨てる場所がちがうため、きちんと見分ける必要があります。
ボタン電池 → 電気店などに設置してあるボタン電池回収缶による回収
コイン形電池 → 基本的に自治体のごみステーションによる回収
見分けるポイントは、電池の形状と電池に書かれているローマ字を参考にしてみてください。
(※補聴器に使われる空気亜鉛電池や海外製の一部の電池などにはローマ字表記がない場合があります。)
ボタン電池とコイン形電池それぞれの見分け方は以下の方法で確認してみてください。
【ボタン電池】
ボタン電池の形状は、Yシャツのボタンのように小さくて丸みのある円形です。
※ボタン電池回収缶による回収
電池には「LR」「SR」「PR」などから始まる型番が記載されています。
【コイン形電池】
コイン形電池の形状は、硬貨のように薄くて平らな円形です。
※基本的に自治体による回収
電池に「CR」「BR」などから始まる型番が記載されています。
協力店検索結果から自宅近くの電気店へ電池を持ち込みましたが、ボタン電池回収缶はどこにもありませんでした。
店舗によっては、対象電池以外の投入を防ぐために回収缶を店頭に置いていないこともあるようです。
回収缶が見つからない場合はスタッフの方へ尋ねてみましょう。
私が訪ねたお店では引き取ってもらえましたが、
・買い替え時のみ引取
・回収缶もなく、引取り自体を断っている
などお店により対応が異なるようです。
絶縁について
絶縁とは電流が伝わるのを断ち切ることです。
電池の端子部をテープなどで覆い、電流が伝わるのを断ち切ります。
なぜ絶縁をする必要があるのか?
「電池が使えなくなって捨てるのだから、電流なんて発生しないのでは?」
と思うかもしれません。
国民生活センターに寄せられる情報を見る限り、電池による大きな事故が起きたという報告はあまりあがっていませんが、発火や破裂の事例はいくつかあるようです。
電池の端子は金属製なので、電池に容量が少しでも残っていると他の金属や電池と触れた時にショート(短絡)し発熱、破裂などの事故を引き起こす恐れがあります。
とくに、コイン型リチウム一次電池は全面が金属です。
発火、破裂する危険性が高いので、捨てる際だけでなく、保管するときも念のために絶縁しておくと安心です。
正しい絶縁方法と必要な道具
基本的な絶縁方法は、すべての+極と-極を絶縁することです。
電池の端子部をテープで覆うことで電気が流れるのを防ぎます。
身近にあるセロハンテープを使い絶縁できます。
ボタン電池の処分方法のところでお伝えしたように、回収缶の投入口がせまい場合は厚みのないセロハンテープで絶縁をしましょう。
さて、今までご説明してきた手順でしっかり電池を処分できるはずです。
次の章では一歩踏み込んで、電池の誤った取り扱いによるトラブルの事例など紹介します。
電池を適切に扱うことや絶縁の必要性をより深くご理解いただけると思います。
電池の間違った取り扱いによるトラブル3例
事例1:ボタン電池をかごの中に重ねていたところ破裂・爆発
原因として考えられるのは、ボタン電池が重なり合ったため、電池自体が動線として働き電極がショートして破裂を引き起こしたということです。
ボタン電池は上面の平らな部分と側面が+、下面の少し出っ張った部分が-という構造です。
絶縁をすれば電流が流れるのを防げるので、破裂の危険性がなくなります。
また、ネックレスやヘアピン、鍵などの電気を通しやすいものと一緒に保管しないようにしましょう。
ひえーーー。
私の引き出しの中はどうだったかな・・・。
ほら、いつのものかわからない電池と一緒にヘアピンがたくさんはいっているぞ!
保管している間も絶縁をしておいた方が安心だな。
事例2:他のごみと一緒に電池をごみ出ししたところ、破損して出火
自治体の多くが、電池を捨てるときには、他のごみとは分けてごみ出しをするように指定しています。
なぜなら、何かの拍子に絶縁していない電池が発火元になり、一緒にごみ出しされた他のごみに燃え移り火災が起きる危険性があるからです。
リサイクルやごみ分別のルールを守り、適切な処分をしましょう。
事例3:しばらく使っていなかったリモコンの電池から液体が出て真っ白に
原因は過放電と考えられます。
機器を作動させる電池残量がないにもかかわらず、リモコンの中に電池をそのままにしておくと、過度に放電され液漏れを起こすことがあります。
液漏れが起きると、電化製品の故障の原因となります。
それだけでなく、漏れた液が肌に触れたり目に入ったりすると、やけどや失明の危険性があります。
漏れた液には直接触れないように気を付けましょう。
液漏れを起こさないために、使い切った電池は放置せずに随時機器から取り外し処分するという心がけが大切ですね。
さいごに
いかがでしたか?
電池の種類や適切な処分方法を理解すると、なぜこんなに面倒な捨て方になっているのかご理解いただけなのではないでしょうか。
「自治体ルールに従ったごみ出し」
「ボタン電池はボタン電池回収缶へ」
「小型充電式電池は小型充電式電池回収BOXへ」
「絶縁を心がけること」
この記事を参考に、上記のポイントに気を付けて家庭に溜まった電池を処分してください。
もし、ご自分で処理することが難しい場合は鹿児島県内であれば、弊社サービス「整理のゴダイ」の不用品回収をご利用いただく事も可能ですのでご相談ください。(ただし有料での引き取りになります)
今まで捨て方がわからずに電池を自宅にため込んでしまっていた方の参考になれば幸いです。
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