スプレー缶がたくさん溜まってしまったイメージ画像

「家に溜まっているスプレー缶、片付けたいなぁ。どうしよう・・・!」

 

そう、スプレー缶の処分は悩みますよね。

 

整髪料や消臭剤、塗料、殺虫剤、カセットボンベなど、私たちの日常生活のいたるところで、スプレー缶が使われています。

 

しかし、いざ捨てようと思っても、住んでいる自治体ごとに捨て方のルールが違いますし、ホームページやごみ出しカレンダーには細かい手順までの解説がないので、どう処分すべきなのか悩みますよね?

 

特に中身がまだ入っているスプレー缶!
これは、どうやって中身を出せばいいのか悩みます。

 

そのほかにも、

 

「スプレー缶には穴をあけて捨てるの?あけなくていいの?」
「どんな道具を用意すればいいの?」
「何をしたら危険なの?」

 

などなど、わからないことだらけです。

 

スプレー缶による爆発事故の話も聞きますし、安全性や環境への影響も気になります。
「間違った自己判断で処分をして、事故やけがに繋がったら怖い・・・」という思いから、捨てるのを先送りにしがちです。
一度DIYに使ったきりの塗料スプレーや、いつ買ったか覚えていない殺虫スプレーなど、押入れの奥に眠っていませんか?

 

A 放心

うぅっ・・・。
気がつけば押し入れの中がいっぱいに・・・!
どうしよう・・・。

B ドン引き

なんでこんなにスプレー缶が出てくるんだ!
この押入れは四次元ポケットかっ!
仕方ない・・・。
片づけるぞ!!!


・・・というわけで今回は、あなたの家の押し入れがスッキリしちゃうような、不用品の処分のコツをご紹介します!

 

処分に必要な道具や、具体的な手順、危険な処分方法とその理由まで、ひとつひとつ丁寧に解説します。
また、自分で処分できない場合の対処方法なども調べてみました。

 

押入れの奥に眠っている、もう使わないスプレー缶を片付けるチャンスです!
片付けられずに悩んでいる方、ぜひこの方法を試してみてください。

 

それではまいりましょう!

 

※このブログは、片づけの専門業者“整理のゴダイ”が監修し、処分しづらい「ごみと資源の分け方・出し方」に関するノウハウをわかりやすく解説するサイトです。
プロならではの視点で、本当に使えるノウハウのみを取り上げています。
内容には細心の注意を払っていますが、もしお気づきの点などございましたら、ご遠慮なくお知らせください。

 

スプレー缶の捨て方ルール

 

まずは、スプレー缶の正しい処分方法を確認していきましょう。
処分の手順は次のとおり。

 

  1. 中身を使い切る(出し切る)
  2. そのまま、もしくは穴をあけてごみ出し(自治体ルールに従う)

 

そう、基本はまず中身を使い切ることです!

 

ごみの分別や捨て方は、自治体によって少しずつルールが違います。(これがごみの捨て方に悩む一因でもありますが・・・)
ですが、スプレー缶に関していえば、全国どこの自治体でも「中身を使い切る」のは共通事項であり、基本中の基本です。

 

一例として、新宿区の公式ホームページ“ごみ・資源の分け方・出し方”のページを見てみましょう!

 

新宿区:スプレー缶のごみ出し方法
参照:新宿区公式ホームページより

「必ず使い切って」と記載がありますね。

 

その他、スプレー缶を販売しているメーカーのサイトや、日本エアゾール協会(エアゾール=スプレー缶)のサイトにも、同じように「まずは缶を空にする」「中身を使い切る」などと説明されています。

 

まだ中身を使い切っていないスプレー缶は、必ず中身を出してから捨ててください。

 

また、「缶をそのまま捨てるか?」「缶に穴をあけてごみ出しするのか?」については自治体ごとにルールが違います。自分が住んでいる自治体のルールを確認して、必要なら缶に穴をあけてごみ出しをしましょう。

 

さらに、スプレー缶の分別方法や使用するごみ袋も、自治体ごとにルールが違うんです。(自治体ごとにルールが違う理由は後述します。)
正しい分別をしてごみを出すようにしましょうね。

 

実際にスプレー缶を処分してわかった、スプレー缶を処分するための方法(処分場所、使う道具、注意点など)

 

さて、基本の捨て方をお教えしましたが、ここまでの手順は知っている方も多いと思います。

 

ただ、「そもそも、スプレー缶の中身を出し切るのって、どこでやればいいの?」と悩む方は多いのではないでしょうか?

 

室内でスプレー缶を処分している際に起きた事故事例などもあります。
周囲や環境への配慮も気になりますよね。
そこでここからは、スプレー缶を安全かつ適切に処分する方法をお教えします!

 

作業時の服装

まずは、服装です。
スプレー缶を処分する際は、以下の服装で作業しましょう。

  • 汚れてもいい服(静電気の起きない服の組み合わせで)
  • 手袋
  • マスク(必要に応じて)

 

組み合わせると危険な服装の例

 

作業をする際は、汚れてもよい服を着ましょう。
ただし、1点絶対に注意しなければならないことがあります。
それは、静電気が起きない服を着ることです。

 

なぜなら、中身出しの際に出た可燃性ガスが服の摩擦によって起きた静電気に引火する危険性があるからです。

 

下の図を見てください。
プラスとマイナスが離れるほど、静電気が発生しやすくなっています。

静電気が発生する仕組み

 

この静電気によって起きる火花が危険なので、スプレー缶を扱う際は服の組み合わせに注意しましょう。

 

静電気によるスプレー缶爆発の仕組み

重ね着が多い冬場は、特に気を付けたいですね。

 

たとえば、ダウンジャケットの中にニットを着て、静電気が起きたことなどあるのではないでしょうか?
事例としては報告されていないかもしれませんが、場合によっては引火して火災につながる可能性もあるんですよ。
さらに、湿度が30%以下だと静電気が起きやすいので、乾燥しやすい冬場は湿度にも注意してください。

 

A 明るい ノーマル 静電気ver

下敷きで遊んだの思い出すな~
こうやって頭をこすって持ち上げると・・・。
サイヤ人!!!

B 悩み 白目

小学生か・・・。
でも静電気が起きる仕組みは同じだな。
マイナスの髪の毛とプラスのプラスチックは、静電気が起きやすい組み合わせだ。

 

手袋

 

中身出しの際、スプレーの噴射物が肌に付かないように、手袋を用意してください。
しっかり肌を保護できるように、肘か肩口まで覆うような厚手の手袋が良いでしょう。

 

肩口まで覆う厚手の長手袋

 

持っている人は少ないかもしれません。(短いタイプのものが多いですよね)
このようなタイプの手袋は、スーパーよりもホームセンターでよく売られています。
また、短い手袋でも、アームカバーや汚れてもよい服などで肌を覆えば大丈夫です。

 

もし何も使えるものがなければ、この長手袋のAmazonリンクを貼っておきますので、参考までにチェックしてみてください。

 

ショーワグローブ No140腕カバー付厚手 ピンク Mサイズ 1双

 

この手袋は、肩口までのロングタイプで腕全体を保護してくれます。
裾部分にゴムバンドが付いているので、ズリ落ちることなく快適に作業できるのがいいですよ。

 

マスク

スプレー缶の中身を出す際には、風通しのよい屋外で、風上側で作業することでほとんど中身を吸わずに作業できます。

 

なので、内容物を吸うことについてさほど心配する必要はありませんが、化学物質に過敏な方、気管支が弱い方、大量にスプレー缶の中身出しをする方は、有機溶剤作業用マスクセットなどを使うといいかもしれません。

 

DIYでスプレー塗装をする方は、使う機会も多いかと思います。
普通のマスクでも十分かと思いますが、心配な方はこういうものを用意しておくといいでしょう。
ホームセンターなどで1200円~2000円くらいで購入できます。

「有機溶剤作業用マスクセット」をAmazonで詳しく見る

 

作業場所について

 

さて、次はスプレー缶の中身出し作業をする場所ですが、必ず屋外を選びましょう。
屋内は絶対ダメです。

 

さらに、

 

<作業場所を選ぶ上で注意すること>

  1. 火気のない場所(空気の乾燥にも注意)
  2. 風通しの良い場所(風上側で作業する)

 

であることも条件です。

 

なぜ屋内がダメなのかというと、スプレー缶に含まれるLPガス(LPG、液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)は、

可燃性(引火性)があり、空気より重く下に溜まるという性質があるためです。

 

その引火性のあるガスに対して、屋内だとキッチンや風呂場のガスコンロや給湯器などの火気が近くにあります。
また、空気より重い可燃性ガスは換気扇を回したとしても、部屋の底に溜まったまま換気されません。
なので屋内で作業すると、何かの拍子に引火・爆発する恐れがあります。

最近では、札幌市豊平区で2018年12月16日夜に、スプレー缶が原因と見られる爆発事故が起きました。
まだ原因は正式に発表されていませんが、店舗の従業員が消臭剤のスプレー缶100本以上を廃棄するために穴を開け、湯沸かし器をつけたことが爆発の原因とみられています。(2018年12月18日時点)

屋内の作業はとても危険ですので、必ず『屋外』で作業しましょう。

 

このあたりは「3.危険な処分方法とその理由を解説」で詳しく解説しますね。

 

そしてもう一点、注意してほしいことがあります。
それは、火気がさらに起きないように、静電気の発生しない服装で、湿度のある日に作業することです。(もちろんタバコも厳禁ですよ)
ということは、「雨上がりの風のある屋外」が理想的ですね。

 

A 困惑・恐怖

雨上がりの風のある屋外ですか・・・。
換気扇の近くでもダメなんですね。
ウチはマンションだから、風が吹き抜ける庭なんてないですよ~~~!
どうしたらいいんでしょう!?

B 考え中

アパートやマンションなら、ベランダが一番風通しがいいだろうな。
屋内にガスが入らないように、しっかり窓を閉めて作業したらいいだろう。
近所迷惑にならないように、他の人が洗濯物を干していないタイミングを選ぶんだぞ。

庭付きの一軒家にお住まいの方でしたら、庭で作業するのがいいですね。
スプレー缶の中身が飛散することで、近所迷惑にならないかどうか気になりますが、これに関してはこれから説明する方法で作業していただくことで対処できるかと思います。

 

中身出しに必要な道具と実際の手順

 

さて、服装を整えて、作業する場所を決めたら、スプレー缶の中身の処分に取りかかりましょう!

 

今回はアパートやマンションに住んでいる方を想定して、ベランダで作業します。(もし作業しやすい庭や駐車場、空き地などがあればそちらで作業してください)

 

準備する道具はこのとおり。

スプレー缶の中身出しに必要な道具

準備するもの

  1. バケツ
  2. ごみ袋(大きなビニール袋)
  3. 中身を吸わせるための吸水性のあるもの(トイレットペーパーがベストです)

スプレー缶の中身の液体を吸わせるために、トイレットペーパーをロールごとを使います。
これを使うことで、液だれや臭いの飛散を防ぎます。

 

トイレットペーパー以外にも、キッチンペーパー、新聞紙、ティッシュペーパー、古タオル、廃油捨て、紙おむつなど、吸水性のあるものをいろいろ試してみました。
その結果、やはりトイレットペーパーが一番使いやすいと判断しました。

 

検証結果は下の表にまとめてあります。

新聞紙 トイレットペーパー 紙おむつ
吸水量(ml) 220ml 1,005ml 吸水せず
値段(単価) 無料 28円/ロール 50円/個
サイズ 32ページ/1日分 長さ50m/1ロール 子供用普通サイズ
素材 パルプ パルプ 吸水ポリマー

さらに詳しい検証結果はこちら

吸水量を求める計算式
目いっぱい水を吸わせたときの重さ(g)-何も吸わせていない時の重さ(g)=吸水した質量

吸収した質量(g)× 重さの比重 = 吸水量(ml)

例:水1g = 1ml      エタノール1g = 約1.25ml

 

この結果を見ていただけると、トイレットペーパーが吸水性に優れていることがおわかりいただけると思います。本来の用途として、水分を含みやすくできているので、液だれもしにくいです。

 

そもそもスプレー缶にはどのくらいの液量が入っているか想像しづらいですよね?
でも、実は未使用時の液量はそれぞれのスプレー缶にちゃんと記載してありますので確認してみてください。

スプレー缶:内容量の記載箇所

 

スプレー缶の中身の量は、缶の大きさによってさまざまですが、大体100~600ml程度です。
缶を手で持てなくなるので、そんなに大きいサイズのものはないようですね。
まるごと中身が残っていたとしても、スプレー缶一本の処分には、トイレットペーパー1ロールあれば充分でしょう。

 

「使わない新聞紙を再利用したい」との思いから、たくさん用意すれば新聞紙を使ってもいいのでは?と思う方もいるかもしれません。
新聞紙でもダメではありませんが、元々水分を吸いにくい素材なので、液だれしやすくおすすめしません。

 

B 考え中

液体がたれてしまうと、身体や服、ベランダに付いてしまう。
特に塗料スプレーが垂れたら悲惨だぞ!!
トイレットペーパーは一個当たりの単価も高くないし、吸水性も高いからいい選択肢だろう。

A 明るい ノーマル

一個あたり28円くらいかあ。
それでキレイに片付けられるなら、買うべきですね~!!

 

というわけで、この記事でもトイレットペーパーを使って手順をご説明します。

 

1.バケツにビニール袋、トイレットペーパーをセットして中身を噴射

 

バケツは袋を安定した形状にセットするのに便利です。
この記事では、手順をわかりやすくするために透明のバケツを使っていますが、家庭にある普通のプラスチックのバケツをお使いいただければと思います。

 

バケツに袋を被せる

 

まず、バケツにビニール袋を被せて、

 

トイレットペーパーをバケツにセット

 

そのビニール袋の中にトイレットペーパーを入れて、セット完了!

 

スプレー缶の中身をトイレットペーパーへ噴射

 

そして、スプレー缶をトイレットペーパーに押し付けるようにして、中身を噴射します。
このように押し付けることで、内容物があたりに飛ばずにそのまま吸水されます。
さらに、バケツにセットしたビニール袋も、内容物があたりに飛散するのを防いでくれるので、2重に飛散対策ができます。

 

このように作業すれば、臭いもほとんど気にならなくなりますし、ご近所にも配慮できるかと思います。

 

スプレー缶の中身出し:ダメな例

 

逆に、トイレットペーパーから離して噴射すると、臭いがあたりに飛び散ってしまいますのでご注意を。

 

A 明るい ノーマル

なるほど~!これならベランダでも作業できそう。
ところで、カセットボンベには噴射ボタンないですよね。
どうしたらいいでしょう?

B ノーマル

カセットボンベの中身はすべて可燃性ガスだから、下手に中身出しをするのは危険だ。
鍋でもして使い切るのが一番だな。

 

2.中身を出し切る

 

そして、スプレー缶の中身がなくなるまで噴射します。

 

噴射し終わったら、必ずスプレー缶を振って音がしないか確かめましょう。
シャカシャカ音がするうちはまだ中身が残っています。

 

中身を出し切るまでにかかる時間は、未使用の450mlのスプレー缶で約8分かかりました。
スプレー缶に残っている容量によってさまざまですが、参考にしてください。

※中身を一気に出すと気化熱で缶が冷たくなり凍傷になった事例もありますので、厚手の手袋の着用をオススメします。

 

3.可燃性ガスが抜けきるまでしばらく置いておく

 

中身を出し切ったら、ごみ袋はしばらくそのまま置いておきましょう。
そうすることで、袋の中に溜まった可燃性ガスが抜けていきます。
すぐ袋を縛ってしまうと、可燃性ガスが中に残り危険です。

 

A 恐怖 白目

ふう~~~指が痛い!
ずっと、スプレーのボタンを押し続けて疲れました。
もう何も持てないです・・・。

B ノーマル

よし。ここで少し休憩するか。
スプレー缶に穴をあけるとしても、少し時間を空けた方がいいだろう。
可燃性ガスがあたりにまだ充満しているからな。

 

自治体ルールに従い、缶に穴をあけなくてはいけない場合、少し時間を空けてから穴あけ作業すると安心です。
可能性は低いですが、スプレー缶に穴をあけるときに火花が散り、あたりに充満した可燃性ガスに引火して事故になる危険性があります。

 

あと、ここで気を付けて欲しいのが、ガスが抜けるのを待っている間に、同じ場所でたばこで一息つかないようにすることです。
残っている可燃性ガスに引火して、爆発する危険性があります。

引火の引き金となる喫煙はNG

 

「いやいやそんなことはしないだろう」
と思うかもしれませんが、習慣とは怖いものです。
手持無沙汰な時に、無意識にタバコに手が伸びる人もいらっしゃるかもしれません。

 

車内で消臭スプレーを使用した後に、タバコを吸おうとライターに着火して車の爆発事故が起きた事例や、コールドスプレーを噴射した後に、タバコを吸おうとして爆発事故が起こるなど、タバコを原因とする火事は毎年たくさん起きています。
タバコは火災原因のトップ3に入っています。

 

なので、喫煙者の方は、作業の前にポケットに入っているタバコを出して別の場所にしまっておくのも一つの手ですね。
充分注意してください。

 

4.ごみ出し

 

中身を吸わせたトイレットペーパーをごみ出しする

 

最後に、ガスが抜けきったら袋を縛り、燃えるごみの日にごみ出しをします。

 

以上が中身出しの手順です。
これでどうにかスプレー缶の中身は処分できましたね!

 

続いて「ガス抜きキャップが付いている場合」「穴あけについて」解説します。

 

ガス抜きキャップが付いている場合のガス抜きについて

 

今までご説明してきたスプレー缶の中身出し方法では、レバーを押し続けて中身を噴射しました。
ですが、ガス抜きキャップがスプレー缶に付いている商品は、レバーを押し続けなくても中身を排出する機能が付いています。

 

商品によって、「ガス抜きキャップ(中身排出機構)」「ガス抜きキャップ(残ガス排出用)」「ガス抜きキャップ(ボタン)」等表記が少し変わります。

 

スプレー缶:ガス抜きキャップ(中身排出機構)の記載例

 

全てのスプレー缶に付いているわけではありません。
お手元のスプレー缶の表示を確認してみてください。
この画像のようなマークが記載されている商品は、ガス抜きキャップが付いています。

 

A 泣き

なんと便利な!
これを使えば、レバーを押し続けて指が痛くならずに済みますね。
ずっと押し続けるのは辛かったです・・・。


B 考え中

たしかにうまく使えば便利な機能だが、全部のスプレー缶についているわけじゃないからな。
いろんなタイプのガス抜きキャップがあるから、使う時は注意書きを読んでタイプに応じた使い方をするんだぞ。
(ちゃんと注意書き読まないタイプだな・・・)

ガス抜きキャップ:コインを差し込むタイプの使用例

 

例えばこのコインを差し込むタイプのもの。
レバーを押した後にコインを差し込むことで、レバーの位置が固定され、指で押さなくても噴射し続けることができます。

 

ただ、このままにしてしまうと内容物があたりに飛散して近所迷惑にもなりますので、先ほどご紹介した手順と同じように、スプレー缶を手で持って噴射口をトイレットペーパーに押し付けるようにしてください。

中身だしキャップ:少量の塗料の中身を排出する様子

 

このようにスプレー缶のキャップを裏返して利用するタイプは、キャップの内側にトイレットペーパーを詰めて、セロハンテープで固定して使います。
このタイプは、中に詰めたトイレットペーパーがスプレー缶の中身を吸水してくれるので、あたりに中身が飛散するのを防いでくれます。

 

ただし、注意してほしいのは、ガス抜きキャップの種類は数多く、それぞれ使い方や目的が違うということです。
ですので、必ず手持ちのスプレー缶を確認して、その注意書きに従って使用しましょう。

 

「中身を排出した後に、容器内に残ったごく少量のガスを出す」ためのガス抜きキャップもあるので、その場合は、中身出しは先ほどご説明した手順にしたがってください。
その上でガス抜きキャップを使い、残ったガスを排出しましょう。

 

日本エアゾール協会のHPの解説が詳しいので、一度読んでみてください。
動画もあるのでとてもわかりやすいです。
一般社団法人日本エアゾール協会|「ガス抜きキャップ」について

 

穴あけ作業

 

さて、中身を完全に出したスプレー缶の処分方法ですが、ごみ出しのルールは自治体ごとに違います。
穴をあけるか、あけないかは、居住地域の自治体のルールを確認してください。

 

そして、スプレー缶に穴をあける場合は、市販されている缶専用の穴あけ器などを使用するのがいいでしょう。
ホームセンターなどで購入できます。

 

くぎ打ちやキリ打ち、ニッパーなどでの切込みでの穴あけはやめましょう
なぜなら、以下のような理由があるからです。

  1. スプレー缶はかたいので、くぎ打ちやキリ打ちではくぎが缶からすべってけがをする可能性があります。
  2. くぎ打ち、キリ打ちで穴を開けた時に、残っていた中身があたりに飛散し、身体にかかる可能性がある。

手間や時間がかかる上に、ケガの危険もありますので、やめておいた方がいいでしょう。
専用の穴あけ器が一番です。

 

ホームセンターなどで購入できますが、ご購入の参考に3つのタイプの缶用穴あけ器をご紹介します。
さまざまなタイプのものがあるので、自分にとって扱いやすいものを選びましょう。

 

1.スプレーパンチ(缶用穴あけ器)

スプレー缶穴あけ器具:スプレー缶パンチ

 

テコの原理を利用して、さほど力を入れなくても穴あけができます。
ガスを出し切ってから使いますが、念のために針が身体の反対側になるように持ちましょう。
(こうすることで、万が一中身の液体が出ても、身体にかかりません)

「スプレーパンチ(缶用穴あけ器)」をAmazonで詳しく見る

 

2.レック ガス抜き 足踏み タイプ

 

スプレー缶穴あけ器具:より安全に使える足踏みタイプ

 

足で踏むだけで簡単に穴あけできます。
顔から離して使えるので、スプレー缶の中身が顔にかかる心配もありませんね。

「レック ガス抜き 足踏み タイプ」をAmazonで詳しく見る

 

3.ガス抜きプッチン

 

スプレー缶穴あけ器具:ガス抜きプッチン

 

手に持って、下に置いてと2通りの使い方ができます。
置いて使うと安定します。
安全カバーがついているので、収納も安心。

「ガス抜きプッチン」をAmazonで詳しく見る

 

自治体ルールに従って分別&ごみ出し

 

ここまできたら、あとはスプレー缶を捨てるだけです!
スプレー缶の分別方法は、自治体ごとに異なります。

 

人口が50万人以上の全国の主要都市、ごみ出しに特徴がある市町村など、33の自治体のルールを調べてみました。

 

その結果、燃えないごみ、資源ごみ、不燃ごみ、有害ごみ、空き缶、小型金属類、火災危険物、発火性危険物など、さまざまな分別方法がありました。
分別方法が自治体によってまったく異なることがおわかりいただけるかと思います。(2017年12月時点「整理のゴダイ」調べ)

ちなみにスプレー缶への穴あけに関しては、今回調べてみた33の自治体のルールによると、スプレー缶への穴あけを必要とする自治体の方が少なかったです。
結果は下の表をご覧ください。

 

スプレー缶のごみ出しルール:穴あけ(人口の多い33自治体を参照)

穴あけを必要とする自治体の方が少ないですね。
現在、スプレー缶への穴あけを必要とする自治体は、減少傾向にあります。
このあたりは、「穴をあけるか、あけないか、自治体ごとにルールが異なる理由」の項目で詳しく解説します。

お住まいの自治体ルールを確認して、必要ならば自治体指定のごみ袋に入れて、所定の日にごみ出しをします。

 

A 明るい ノーマル

終りましたねぇ。
処分できてスッキリしました!!
生まれ変わった気分?

B ノーマル

まだまだ部屋がカオスだが・・・。
とりあえず一歩前進といったところか・・・。

 

次の章では、より掘り下げてスプレー缶処分時の注意事項をお伝えしたいと思います。

 

今までご説明してきた手順で、スプレー缶を安全・適切に処分できるかとは思いますが、次の章を読んで頂けたらスプレー缶を適切に取り扱うことの重要性が深く理解できるかと思います。

 

ニュースで流れてくるスプレー缶による爆発事故など、決して他人事ではありません。
事故の背景や原因には、曖昧な知識でスプレー缶を取り扱ったことがあります。
ぜひ読んでもらえればと思います。

 

【厳重注意】危険なスプレー缶処分方法とその理由

 

というわけでこの章では、スプレー缶を処分するときに、絶対にやってはいけない危険な処分方法とその理由について、より詳しくお伝えしていきたいと思います。
実際に起きた事故事例をご紹介しながら解説します。

 

事故事例1:住宅・店舗でガス爆発

 

自宅の洗面所で、換気扇を回しながらヘアスプレー缶に穴をあけてガス抜き作業をしていたところ、部屋内にガスが充満して引火・爆発。作業していた人と、室内にいた家族がやけどを負ったという事例は数多く報告されています。

また、最近では、札幌市豊平区で2018年12月16日夜に、スプレー缶が原因と見られる爆発事故が起きました。
まだ原因は正式に発表されていませんが、店舗の従業員が消臭剤のスプレー缶100本以上を廃棄するために穴を開け、湯沸かし器をつけたことが爆発の原因とみられています。(2018年12月18日時点)

 

スプレー缶の中身出し:キッチン(シンク)での作業は危険

 

屋内での作業が危険な理由

 

これまで記事内で、中身出しや穴あけをする際は必ず火気のない風通しのよい屋外で作業するよう、繰り返しお伝えしてきました。
この事故事例のように、屋内でガス抜きをしたことによって起こる爆発事故が、多数報告されているからです。

 

主な原因として、「屋内でも換気扇を回せば大丈夫だろう」と判断する方が多くいらっしゃることが挙げられます。
インターネット上の口コミサイトや相談サイトで、スプレー缶の処分に関するQ&Aを見ると、そう考えている人は結構いる様子。

 

しかし!換気扇を回しても、風通しが良くても、屋内の作業は絶対にダメです。

スプレー缶の中身出し:お風呂場での作業は危険

 

なぜ危険なのかを説明するにあたって、まずスプレー缶の基本構造を説明させてください。

スプレー缶の基本構造

このイラストのとおり、スプレー缶の中には、主に目的成分噴射剤が入っています。
そして、噴射剤にはLPガス(LPG、液化石油ガス)DME(ジメチルエーテル)が使われています。

 

注意すべきなのは、LPガス(LPG、液化石油ガス)とDME(ジメチルエーテル)は可燃性であるということ。

 

なので、中身が残ったスプレー缶に穴を開けたり、噴射して使い切ったりする際に、缶から出た可燃性ガスがあたりに充満して、何かの拍子によって起きた火気により引火・爆発する危険性があるのです。
基本的に、スプレー缶の取り扱い上の注意として、火気のある場所に置くことや、火気の近くで使用することは厳禁です。
スプレー缶の注意書きを改めて確認してみましょう

 

スプレー缶:注意事項の記載例

B 考え中

スプレー缶の保管場所は、きちんと見直した方がよさそうだ。
忘れがちなのが、車に置きっぱなしのスプレー缶。
夏の時期には、車内の温度が上がり、スプレー缶内部が膨張して爆発事故が起きることもある。
日常的に使っている制汗剤や消臭スプレーだが、取り扱いを間違えると凶器になることを覚えておく必要があるな。

 

さらにもう一つ、LPガス(LPG、液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)は空気より重いため、下に溜まる性質があります。
下記の動画をご覧ください。

 

参照:youtube動画「スイデン屋上換気扇と有圧換気扇のデモ」より

 

クリアケースの中を煙(ドライアイス)で満たしたミニチュアで、換気状態を目で見てわかりやすくしたものです。

 

動画前半をご覧いただけると、たとえ換気扇を回していても、底に溜まった煙が換気されていないのがおわかりいただけるかと思います。
換気扇が循環させる空気は部屋の上部のみで、底に溜まった煙がほとんど出ていきません。

 

A 恐怖

びっくり!!
換気扇を回しても、煙が出ていかないなんて・・・。

B 考え中

この動画を見れば、換気扇は万能ではないとわかるだろう。
換気扇が循環させる空気は部屋の上部のみなんだ!
底に溜まったガスは出ていかない。
ガスは目に見えないぶん充分注意して取り扱う必要がある。

動画後半で有圧換気扇を作動させることでようやく換気がなされていますが、有圧換気扇は普通の家庭にはまずありません。

 

<スプレー缶の中に入っている噴射剤(LPガス・DME)の性質>

  1. 可燃性(引火性)がある
  2. 空気より重く部屋の底に溜まるため、換気扇を回しても排出されない

これについては暗記してほしいと思っています!

特に、風呂場やキッチンのシンクなどの凹んだところは、ガスが留まりやすいです。
スプレーの中身出しをした後に、すぐに中身を水で洗い流せるので、風呂場やキッチンのシンクなどの水場で作業したいと考える人も多いようですが、凹みの底に残ったガスに、なにかの拍子で引火する危険性が高いです。
風呂場には給湯器がありますし、キッチンにはレンジやコンロと火気のあるものだらけです。

 

このように、具体的な理由を知れば、なぜ「火気のない屋外で作業すること」が大切なのか、より深く理解できるのではないでしょうか?

 

スプレー缶の中身出しや穴あけは絶対に屋内で作業しないでください!

 

事故事例2:ごみ収集車の火災事故

 

多くの自治体でごみ収集車の火災事故が報告されています。
中身の残ったスプレー缶がごみ出しされ、それを回収した収集車の荷台内部で爆発したとみられています。

スプレー缶によるごみ収集車の火災イメージ

 

穴をあけるか、あけないか、自治体ごとにルールが異なる理由

 

この事例のような、ごみ収集車の火災事故は毎年数多く報告されています。
作業員や周辺の人が、爆発や火災に巻き込まれてケガをする可能性もあり、とても危険です。

 

悪質なケースだと、回収日ではない日にこっそり中身の残ったスプレー缶がごみ出しされ、事故につながるケースもあるようです。
間違えた処分方法は人命にかかわるということをよく覚えておいてください。

 

ところで、最初に説明したスプレー缶の捨て方ルールの中で、缶への穴あけを必要とする自治体と、必要としない自治体があるとお伝えしました。
どうして2通りの回収方法があるかというと、ごみを捨てる側と回収する側それぞれに危険性が潜んでいるからです。

 

1.一般市民の事故の危険性

→スプレー缶の中身がある状態で穴あけをして引火などの事故

※今までお伝えした正しい捨て方を守っていただくことで防ぐことができます。

 

2.回収側の危険性(ごみ収集車、ごみ処分所)

→中身が残ったスプレー缶がごみ出しされて、ごみ収集車やごみ処分場で爆発事故

 

一般市民の事故の危険性を回避するために、環境省では2009年以降、市町村に対しスプレー缶を廃棄する際には穴あけしない方向が望ましいことを継続的に指導しています。

 

しかしこの対策では、中身の入ったままのスプレー缶がごみ出しされる危険性が高くなり、ごみ収集車やごみ処分場での事故の問題は解決しません。

年間1,000件以上ごみ収集車の火災が発生しており、そのほとんどがスプレー缶による火災と報告されています。(参考:杉山 涼子(富士常葉大学社会環境学部 教授)
1自治体あたり平均5件以上なので、かなりの頻度ですし、とても大きな損失ですよね。

 

一般市民側とごみ回収側、2つの立場の安全性を守る必要があるので、自治体ごとに穴あけルールが変わってきます。
いずれにせよ大切なのは「スプレー缶の中身を使い切ってから捨てる」というルールを守ることです。
全ての人がこれを守れば、ごみ収集車側で事故が発生することはありません。

 

また、今までお伝えしてきた中身の出し方を守っていただくことで、家庭でも安全に作業できるかと思います。

 

まとめ

「危険な処分方法とその理由」についてまとめると

●LPガスは可燃性で空気より重い

スプレー缶の中身にはLPガス(LPG、液化石油ガス)、DME(ジメチルエーテル)という噴射剤が入っており、①可燃性、②空気より重いので下に溜まる、という性質がある。


●中身出しは屋内作業は厳禁

スプレー缶の中身出しは屋外で作業する。風呂場やキッチンなど屋内での作業は厳禁。なぜなら、部屋の下に溜まった可燃性ガスは、換気扇を回しても外に出ていかないため、何かの拍子に引火・爆発する危険性がある。


●水回りであっても屋内の中身出しは危険

風呂場やキッチンのシンクなど、凹みのあるところには特に可燃性ガスが溜まりやすい。中身出しをした後すぐに水で洗い流せるので、ここで作業しようと思う人も多いようだが、絶対にしないこと。


●無責任なごみ出しで被害が出ることも

スプレー缶の処分はごみ出しして終わりではない。ごみ収集車や処分場で働く人がいることを認識して、責任ある捨て方をしましょう。


●ごみ出しはお住まいの自治体にのルールに従う

分別方法は自治体によりさまざまなので、住んでいる地域のホームページやごみ出しカレンダーなどで確認すること。

処分に関して、十分注意を払う必要があることが分かっていただけたかと思います。

 

どうしても自分で処分できない場合は?

 

もしかしたら、中には自分で処分できない方もいらっしゃるかもしれません。
その場合の対応策を調べてみました。

 

自治体に問い合わせてみる

 

自治体によっては、中身入りでも回収してくれるところがいくつかあるみたいです。
お住まいの自治体に問い合わせをしてみましょう。

 

全国自治体ごみリンク(日経ビジネス): https://www.nippo.co.jp/gmlink/index.htm

 

どこの部署に電話していいかわからない場合は、自治体の代表番号にかけて「ごみの分別や回収について教えてくれる部署に繋いでください」と伝えましょう。

 

ただし、回収してくれる自治体はあまり多くないようです。
試しに、私たちが住んでいる鹿児島県霧島市に問い合わせしてみたところ、回収はしていないとのことでした。(2017年12月時点)

 

スプレー缶の製造元(メーカー)に問い合わせてみる

 

製造元のメーカーに直接問い合わせてみてください。
大抵の場合、自社の製品についてはメーカー側で引き取ってくれます。

 

その場合、送料は原則自己負担です。
また、送付の手順や注意点はメーカーによって少しずつ異なるので、メーカーのホームページを確認して、相談窓口に問い合わせてみるといいでしょう。

 

整理のゴダイでは、実際に岩谷産業(カセットボンベ)、大日本除虫菊(殺虫スプレー)、アース製薬(消臭スプレー)と、3社ほど問い合わせてみました。
どこも送料自己負担での引き取りに応じてくれるようです。
送り先の住所や、送るときのルールなどは電話で問い合わせて確認してみてください。

 

■岩谷産業お客様相談室
カセットこんろ(修理を含む)、カセットボンベ、その他、商品全般のお問い合わせ先
http://www.i-cg.jp/information/
電話番号:0120-156-269(フリーダイヤル)
もしくは:03-5776-7457 (携帯電話から)
受付時間:月曜~金曜 9:00~17:15 (祝日、弊社休業日を除く)

 

■大日本除虫菊お客様相談室
http://www.kincho.co.jp/ask/index.html
電話番号:06-6441-1105
受付時間:9:00~17:00(土・日・祝日を除く)

 

■アース製薬お客様相談室
製品に関するお問い合わせは、各製品ブランドの対応窓口に問い合わせ。
https://www.earth-chem.co.jp/support/contact/index.html
家庭用殺虫剤、日用品、害虫駆除に関するご相談
電話番号:0120-816-456
受付時間:9:00?17:00(土/日/祝日/年末年始を除く)

 

しかし、自社製造のスプレー缶のみの回収になるので、いろいろなメーカーのスプレー缶を処分したい場合は大変かもしれません。
どこか特定のメーカーのスプレー缶がたくさん残っている場合には、メーカーに処分をお願いするのもいいかもしれないですね。

 

 

民間の不用品回収業者などに有料で引き取り依頼

 

家に大量にスプレー缶があり、処分する時間も場所もない場合はお金を払って業者に処分をお願いするのも一つの方法です。

 

まずは、近くの不用品回収業者を調べてみましょう。
インターネットで「不用品回収+お住まいの地域名」で検索をしてみるといいかもしれません。

 

連絡先を見つけたら、

1.自分の住んでいる場所
2.回収してもらいたいスプレー缶の量・状態

 

を伝えた上で、回収に応じてもらえるか確認してみましょう。
※スプレー缶の回収サービスを行っていて掲載希望の業者様はご一報いただけますと幸いです。

 

さいごに

いかがでしたか?
家に溜まっているスプレー缶、処分できそうですか?

「屋外で作業すること」
「火気に気を付けること」
「自治体ルールに従ったごみ出し」

これらの事を絶対に守って下さい。
その理由も、お分かりいただけたことと思います。

 

具体的な手順を解説してまいりましたが、いずれにせよ、スプレー缶を処分するのは骨の折れる作業です。
日頃からため込まずに、使わないものはその都度適切に処分するのが何よりですね。

 

また、根拠のない自己判断は危険につながります。
処分の際、少しでも不安やわからないことがありましたら、自治体や製造元のメーカーに問い合わせて、納得いくまで調べてから取りかかりましょう。

 

安全な処分方法を多くの方に知っていただき、スプレー缶による事故など起こらないことを祈っています。